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『自転車』を主題に日本画制作をする作家Blog
先月末にメインPCが故障してしまい、バックアップの大切さを痛感した10日間だった・・・


そんな折、今月初めまで開催されていた「東京藝術大学修了・卒業展」を見に上野まで。
(メモリの買い出しも序でに)

先月の学内での作品撮影の際「檻からサバンナへ」と言う面白いタイトルに惹かれて
「そうだよなぁ」と言う思いと「分かっているなぁ」と言う感心の意味もあり足を運んでしまった。

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さて毎度ながら東京藝大の卒制は一味違う。
これは他の美術大学を見渡しても歴然としている。
何が違う言えば「底辺の意識の差」
(他大学だと底辺が高校生の図工の場合がある)
勿論藝大でも「これが集大成か?」と言うものもあるが、満遍なく完成度が高い。
これから作家として生きていく意識の差か、正にサバンナ(社会)に出て戦っていく姿勢が問われる。


当たり前だが、別に大学を出たからと言って美術活動をして行く人は大変少なく、皆が頂点を目指して日々研鑽している。
その意味でも弱肉強食の世界。
私の様な兎が生き残るため懸命に生きていく世界。
それが残酷な「物を作る」と言うこと。


肝心の展示は色々新しい発見があって面白かった。
今世代の発想なのか?
幾つか「??」と思った点や、成る程と温故知新な点も多々発見出来るのはその若さと言う視点なのか?
中には初老の方が随分熱心に見られていたが、こう言う方こそ見に来るべきだと思う。
年齢を重ねると言う事は「視点が狭まる」事が多分に見受けられる。
この病を治すため、私は区役所などの「幼稚園の絵画展」とか「小学生の展示会」を見に行く事が多い。
結局、視点の相違を感じるためなのだが、そこでは多くの事を学ぶ事がある。
(・・・えぇ!これが!!と言う視点が何時もあって面白い)


展示を見終わってドトールで一服していると、ふと「私は成長しているのか」と自問自答。

修了してから5年。

確かに技術、表現、発想の面で洗練されたと公言できる。
手元にある修了作品を見ても「まだ若いな」と思える点は多々ある。

ただその尖った感性は痛いが美しいと思える。
良い意味で冒険している。

果たして今の自分は冒険しているのだろうか?

かなり前に伺った職人の方が

「職人は日々新しい技術を学ばなければいけない」
「今日学ぶことをしない職人は明日教える立場に無い」

全く耳痛い意見でしたが、それは今の自分と当て嵌まるのか。
新しい表現に日々チャレンジしているのか?

改めて「世界一の絵描き」に成る為にはどうするべきか。

若い作家の展示を観て、改めて若い頃(無茶をしていた)を思い出し、まだまだ若造に負けないと思いを新たに表現の完成を目指し一歩一歩茨の道を踏みしめて行く覚悟が出来る。

本当にこの様な存在(展示)がある事が有り難い。
(卒論などの普通大学では実感出来ない感覚)

過去の自分と会話を交わす機会は大切にして「人間国宝・国民栄誉賞」を当たり前にする。
全く我ながらどれだけ努力をすれば目指す所に届くのか。

ただ不思議と不可能と思えないのが不思議で仕方ない。

あと30年後の自分が何者かが大変楽しみで仕方ない。



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自己紹介
HN:
ETSUDO
職業:
日本画家
趣味:
自転車と作画制作
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