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『自転車』を主題に日本画制作をする作家Blog
梅雨の足音が聞こえて来るこの頃。
日本画制作には「湿気」との戦い。
自転車好きには「錆」との戦いの時期でもあります。

さて何時もギリギリの作品納期。
相変わらず締め切りは「ゴール前のスプリント勝負」

・・・では有りますが今回の作品は納期5日前には9分9厘完成していました。
ではその5日間、何をしていたのか?

「只観ている」

残りの1厘を埋める行程に5日。
本当に時間の使い方の「贅沢さ」をかみ締めています。
※脇では小作などのアイデアはチマチマ描いていますが・・・

さて改めて考える、この「制作の間」
少し専門的になりますが、日本画材の絵具は「顔料」
其れはチューブから捻り出す訳では無く、粉状の物を自分で絵具する作業があります。

ma1.jpg
愛用の目薬は「サンテ40」
 
実際描く時は当たり前の行為ですが、慣れない方からは「面倒な」行為に見えるようです。
この印刷技術が発展している時代で、面倒な行為を繰り返し行い画面を構築していく。

その間の時間をどの様に捉えるか?

手間が面倒
乾燥まで筆が進めない
道具の手入れが面倒くさい
・・・等々


それは大変良く分かるのですが、時間が少ない(忙しい)=画面を見る時間として比例している事に気付きます。
忙しい中で描く行為は「間」が余りにも少ない。
間のない制作工程は余分が無いため「どうすべきか?」の選択肢が狭まることになります。
作画中に面白いものを考えている私は、どうしても制作途中に迷走する事が度々あります。
この様な時「間」がない場合、新たな心見「半歩先の表現」がどうしても閃きません。
結局「いつも同じ」行程を進めるか、90%程度の歩み寄りが精々と言った所になります。

現実的な問題として時間=金銭との関係がありますが、「間」の無い人生は本当に幸福か?
制作進行が面白くない時(忙しい)によく考えます。
「忙しい!忙しい!!」と宣い、周りには「時間が無い」と言い苛つき、自身を責め周りを不幸にしている人がいます。
その様な方を見ると「この人は良い絵は描けないだろうな」と不憫な思いに捕らわれます。
自転車旅行でも、道を間違える事があります。
でも「まぁ目的地に着けばいいか?」と気楽な思考は、本当に制作工程と結びつきます。

そんな寄り道出来る心の「間」
私が今大切にできる「間」は、画面を通して今の人達に一番共有にして欲しい事です。


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自己紹介
HN:
ETSUDO
職業:
日本画家
趣味:
自転車と作画制作
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