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『自転車』を主題に日本画制作をする作家Blog
3月11日

本当なら友人達と楽しく飲むはずだった。

夕刻集まるまで時間があるので、渋谷でウエマツの画材と「よつばと」の展示を見る。

yotuba1.jpg


その後遅い昼ご飯、渋谷の駅近くの中華料理屋。
地下の店で担々麺&半チャーハンを注文。

そのときに激しい揺れが来た。

初め「橋架下だからか?嫌に揺れるな」と感じた。
しかし揺れは激しさを増すばかり。
ものすごい揺れ。
瞬時に「生命の危機」を直感した。
すばやく机の下に移動したのは、中学生以来。

揺れが収まる。

ここで直ぐ脱出した方が良いのだが、半分残った担々麺をどうするか?
ガスが止まった店内。
今後食事が取れない怖れを考えたので、素早く食し地上へ。
(この判断が後に正しかったと実感する)

雨か・・・

いや横の店舗の水道管が壊れて雨のように水が降っていた。

それでも実状が把握できず、ウエマツで画材を買って「凄い揺れでしたね」と雑談。

さて有楽町駅に移動しようか。
そう思ったが電車が止まっている。
集まる人、人の数々。
そこに駅構内で流れる映像は初めCGかと思わせる異常なものだった。
脳裏に過ぎったのはNYセンタービル9.11の映像
ようやく今回の全貌の一端を見る。

更にあふれ出る人波。

渋谷駅前のタクシー、バズ乗り場は長蛇の列。
並ぶか、あるいは徒歩か・・・
(自転車屋で折りたたみの購入も考えたが、資金が無い)

取り敢えず品川まで移動して、その後は考える。
友人、知人にはメールで安否の確認を送る。
(周りも電波の状態が悪い)


歩道は徒歩移動の人が多く見受ける。

五反田駅に着く頃には、もの凄い長蛇の人。
その時点で交通インフラは使えないと判断。

熟々折りたたみ自転車を持ってこなかったを後悔した。

品川からは国道一号をヒタヒタと歩く。
宿泊も考えたが、当家の古家の安否がどうしても気になる。

普段なら20㎞.30㎞は大した距離ではない・・・自転車なら
1㎞、また1㎞、何と1㎞の長いことか・・・
途中の店はガスの影響か、飲食店などは軒並み閉店している。
(担々麺が最後の温かい食事)

カロリーメイトを口に含みながら、ひたすら足を前に動かす。

この時に友人、相方がいる人はどれだけ心強いだろう。
また小さな子供がいる人の移動は難儀なこと。
果たして私なら子供を担いで妻の手を引きながら移動出来るのか?
自問自答しながら、まだまだ半分も歩いていない。

何度も「武空術を使えたら・・・」と等考えながら、痛い足を休め休め動かす。

途中ヨロヨロお爺ちゃんの広敷を担いであげる。
長い徒歩帰宅の人達を見て、満州からの引き上げを思い出すと。
まだ銃弾が後ろから来ないのが救いだと、色々なお話を伺う。

最後に「兄さんは良い兵長になるよ」と。

そうだよな、死ぬことはないな。
そう前向きに考え、黙々と歩いていく。

神奈川県に入り、家の近くまで来ると火災の心配が脳裏を横切る。
自然に足も速くなって、近くなるたび祈る気持ちでした。

5時間歩いた深夜未明、暗い中で当家の外観を見た時の安堵。
婆ちゃんが「この家は関東大震災の時でも倒れなかったんだよ」と言った事を思い出す。
ありがとう婆ちゃん。

ヨロヨロでガス、電気の安全を確認して風呂に入れる事のありがたさ。
食事を作り、寝具で寝られる事のありがたさ。
泥のように寝る・・・はずが再震が怖く浅い睡眠。
一杯飲んで更に寝るようにした。

12日
1日テレビの前にいたのは初めてだった。
そこでようやく今回の全貌が見えてきた。
死者、行方不明者が1000人以上(この時点では)
命あることが何と尊いことか。
その後も筆を持つ気も起きず、ただ情報収集に勤しむ。
友人、知人の安否が分かってきて、一安心。
スーパーで電池、パン、カップ麺が無くなっていた事に驚き。

13日
一度静岡の実家に帰る。
母屋、両親、猫たちも無事で安心。
棚に食品がある事に、此処まで影響はないのだと。
福島の原発がきな臭い。

14日
親父と原発の問題に心配が尽きない。
とにかく福島県、その近隣の親戚、友人には心配が尽きない。
何か電気会社、政府が隠している事が多いような感じがする。
まだ一名連絡がとれない友人がいる。

15日
帰宅。
横浜駅が凄い人だった。

今後
※まず風呂水は溜めておく。
※お湯は沸かせる時にポットに保温しておく。(湯たんぽ出動)
※簡単に食べれるものを作っておく。
※食事は少なく、節電に勤める。
※脱出セット(着替え・ライト・食事・水)と靴を枕元に。

後は自転車をちゃんと調整しておく。

不安だけが大きくならないよう、情報はよく精査してみる必要がある。
自身の無事を第一に、ヤバイと思ったら自身の直感を大切にする。


今回の地震で絵描きが出来ることは余りにも少ない。
でもその様な中で大切な「美しい物を愛おしむ」
その心だけは日本人として大切にして、今後の推移を見守りたいと思います。

yotuba2.jpg
ダンボーにお金を入れて助けてもらいたい。
むしろドラゴンボールで願いを叶えてほしい
 

※この場を借りて東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。



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職業:
日本画家
趣味:
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