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『自転車』を主題に日本画制作をする作家Blog
(前回二章からの続き)
 
そう言えば途中、なぜ100台描くのか?
そう何度か自分に問う事がありました。
 
それを考えると・・・思い出すのは専門学校の頃と大学の頃の話。
 
 
専門学校で日本画を学んでいた青二才の頃。
とある制作で悩んでいた時、ある先生に「アイデアに悩み進め方に迷った時」にどの様にしたら良いか?
その時に「何を支え(指針)にするか?」
 
そう相談した時
その先生は裸婦(を含む人物制作)を基本にしていましたが
 
俺は「1000体の裸婦を描いた」と。
 
その事がどの様な苦境にあっても「昔あれだけ描いただから・・・」と言う実績(形)。
その筆を動かした実績に対して、今の苦境も対した事はないんだ・・・と思える。
「倒れそうな時でも、そのバックボーン(積層の実績)が今の私を支えているんだ!」と。
正直絵は興味ありませんが、彼の絵を前にして妙に納得してしまいした。
 
それだけ描いて、描きまくって、それでも迷うのだな。
 
それなら今は色々と悩んでも仕方ない・・・
・・・と思いませんでした!その当時は!!
 
その時は2浪して散々デッサン描いたし「俺は天才だから努力必要無し」とか自惚れていました。
そして今、30半で枚数を描けば描くほど・・・このときの事を思い出し、自身の未熟を痛感してます。
(逆に今後の成長も青天井と思っていますがね)
 
 
そして40枚目・・・50枚目(半分)・・・60枚目・・・と
何度描いても納得出来ない・・・辿り付けない苦悩・・・
 
そう言った時に思い出すのが大学時代、教職でのデザインの選択授業。
課題の「置き時計」のデザインの講義。
 
授業は面白く、プロダクトの先生の説明も明快そのもの。
そして課題提出で「なかなか良い出来?」と自信で提出したプロトの「置き時計」
 
此処とこの作りが甘いね。
 
幾つか指摘を受けて「ポイッ」←破棄。
・・・オイ!破棄するなよ!( ゚Д゚)!
返却してくれれば、指摘点だけ直して再提出する予定が・・・
 
仕方なく指摘を受けた点を一から作り直して「再提出」
また更に幾つか指摘され「ポイッ」←破棄。
・・・オイオイ!(# ゚Д゚)!
 
悔しいので・・・繰り返し作り直して「再々提出」
前より良くなったね、でもここの作りが甘いねぇ~「ポイッ」←破棄。
・・・・・・オイオイ!!コラーー!!!
 
確か直して4回目の再提出。
成る程・・・うん、良いね。
・・・でも此処は自分でどう思う?
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・破棄。
 
ふざけるな(# ゚Д゚)ムッ!
 
流石に切れて「どう言うつもりだ」と問いただしたら・・・
デザインの先生は悪びれもなく「もう一回直して受け取る」と。
 
仕方な「単位」欲しくて最後の直しをして提出。
そこで言われたのが「ね、良くなったでしょう、一番初めと比べてどう?」
・・・そう言えば一から繰り返し作り直すことで、作る速度&効率が良くなっていました。
勿論間違った所の創り&精度が良くなり、出来上がったプロトは本人も納得の出来です。
ちょっと狐に騙された感じでした。
 
その後、別件でその先生の研究室を訪ねた時
「あの課題では随分直されたけど手直ししなければどうしてました?」と質問。
そう聞いたら「前と変わらなければ受け取ってたよ」と。
「ただ修正して来たし、良くなると解ったら良くなるまで指導するのが仕事だから」
そして最後に言われたのが
「君は根性はあるね、(デザインの)センスは別として」
その時は思わず笑って(苦笑い)しまいましたが・・・
成る程・・・これが造り出す(精度)ことか・・・と納得。
 
 
繰り返し繰り返し、何度も描き、それでもこの先、何度も何度も悩み、のたうち回る事の連続でしょう。
ただ過去を見ても藻掻いただけ、絶対今以上の絵描きになっている。
そう実感出来ることが、この「100の自転車」に意味を見いだすことが出来るのです。
 

IMG_4474.jpg
高い空を見上げると向上心が刺激されます。
「いつかは世界一の画家」


 
※さて明日は私の誕生日なんで、バタバタしていて更新できるか微妙ですが・・・
最後に100台のまとめなどで年末の挨拶に返させて頂きます。

 

 

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自己紹介
HN:
ETSUDO
職業:
日本画家
趣味:
自転車と作画制作
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