(まぁ山形本校では遠すぎて見に行けませんしね)
実際の所、展示そのものは余り興味は無いのですが、学外は選抜展示である事。
また今回の学外展にはShinPA展でも御世話になっている佐藤美術館の学芸部長・立島さんがギャラリートークを行うとの事で、こちらがメインで見学に行くことに。
(こう言った情報を芸工大の広報は卒業者にも多く送ってくれる)
日頃展示では司会者として、またトークの補佐をして頂いていますが、学芸員としての立島さんのご意見を聞くのは初めての事なので期待大。
14時半からのトークショーですが、外苑キャンパスは神宮球場の横。
電車で行くのも少々難儀な(面倒な)所です。
天気が良い&荷物も無いので、今回は有楽町駅から自転車にて移動
有楽町からはアップダウンも少なく、実に気分良くtikitを走らせて行く。
さて途中少々捕まってましたが、14時40分頃からトークショーに参加。
今回は美術評論家のワシオ・トシヒコさんと立島さんの二人が作品を講評していく形で進行。
(初日とあって人数は結構入っています)
日本画から油画、彫刻工芸、テキスタイルとお二人での批評は、なかなか学生では目の向かない所を良く指摘していると思った。
特にワシオさんからは「展示の仕方・見せ方の多様性」
立島さんからは「作品の保存の意識、素材・堅持性の意識」
特に立島さんからは美術館を運営している、学芸員の指摘・意見は大変為になった。
それは私の経験から学生時代にはどうしても疎かになる事であった。
個人的にはもう少し立島さん個人の視点(エゴ)も見たかったが、其処は相手もあって難しいのか?
それでも休憩を挟んで2時間は勉強になった。
作品も多岐に渡り、色々な表現が試されているのはこの大学の強みだと思う。
特に日本画は、岡村先生の後に入った三瀬夏之介さんの影響を受けている作品も見られ、改めて大学は「指導者ありき」と実感しました。
(作品が良いか悪いかは別)
あと残念なのは折角の講評の際、その作品の作家本人がいない事が何度かあったこと。
この辺りが今時の学生なのか?「物作りへの評価」の意識が低いと言わずにはいられない。
それでも私がいた頃よりは「数段」風通しの良い、普通の大学になっていると感じた。
特に私がいた頃より、多方面に目に行く指導者が増え、当時では考えられない作品も出てきたことは正直羨ましい。
この中から新たな表現を模索して、素晴らしい作家が出てくれば楽しい訳だが。
・・・嫌々それはそれで恐ろしい
私が東北芸工大を出て8年余り。
さて8年後も作家を続けている人が何人いるのか?
同学年で卒業した方で作家をしていると聞くのは極々僅か・・・
日々作り続ける事は、本当に大変なことだ・・・
卒業・修了して、それが実はまだまだ入口だと気付いた時。
果たして何人が物作りの戦場に立っているのか?
8年後の作家の姿に多いに期待しつつ、ペダルを踏めば取り敢えず今の作品をどうしようか?
夕暮れの皇居ランナーを横目に、結局私は自分の絵の事だけで頭が一杯なのだ。
まったく自分本位で制作が出来ている事は、どんな幸せにも代え難い。
結局日々描くことを楽しめるか。
私も今ある時間を大切にして生きたいものです。
このShinPA展も作家の卵展から数えて5回目。
過去の図録を見ても、自身の成長を確認できる機会に恵まれている。
18日に展示準備をして望んだ19日。
14時からのトークショーまでに時間があるので小布施町をふらりと散策。
本当は自転車を持参する予定でしたが、18日朝は大雨で「こりゃ駄目だ」と諦めての小布施でしたが、19日は正に快晴
日頃の行いがそうさせたのたのか?
仕方なく風が冷たい雪が残る小布施町を、何か懐かしい感じをしながら徒歩でフラフラ。
途中自転車で千曲川沿いのサイクルロードを走ろうかと思い、駅のレンタルサイクルを借りに行ったが「期間外・貸し出し終了」の文字。
・・・ふむぅ~・・・( ゚д゚)
駅前で小布施町の地図を眺めながら暫し長考。
去年は日本酒の蔵本で色々と楽しい話を伺った。
今年は少々早いが、トーク前に軽く舌を湿らす為に「おぶせワイナリー」へ。
徒歩では少々遠いのですが、そこは見知らぬ土地。
散策を楽しみながら「おぶせワイナリー」へ。
さてワイナリー内は元作り酒屋を改装した面白い内装。
幾つもの賞を受賞したワイナリーですが、思っていたより品数は無い。
蔵内では作り手のこだわりや面白い話を聞きながら、興味あったものを試飲して(余り飲み過ぎないよう)幾つか気に入ったものを購入
さて14時から良い気分でおぶせミュージアムにてトークショー
毎度の事ながら自分の絵画の事を話す訳で、話す内容には事欠かない。
またこの様な機会を多分に頂いている為、人前で話す事に「緊張」の二文字は皆無と言って良い。
むしろ喋り過ぎないようにする事が肝要 (*´∀`)
今回は前回同様、出品者同士が対談する形での進行。
私なりに相手の意見を引き出すよう心掛けました。
まぁ両者で3分ほどのトークなので、核心の部分まで語ることは少ないのですが、今回の作品「空」のアイデアの源には触れることはできました。
発表した作品「空」は実験的な意味合いが多い作品ですが、会場では賛否両論ありました。
その否の意味を考え、賛に変換していく作業は現在進行中。
ただこの方向性は、また練り直して第2弾を作ってみたい。
それは色を使わず色を見せる事。
これは60歳くらいに体得出来そうな、漠然とそんな予感があります。
実際の画面はかなり墨が効いている
和紙のテクスチャが面白いのですが・・・
さてこれから5月初旬の3人展から7月の日本橋三越まで発表の機会があります。
想像を突き詰めても、まったく底の見えない「絵画の世界」
まだまだ試行錯誤ですが、相変わらず面白いと思える作品が出来てきています。
今後の作品に多いに期待して頂ければ幸いに思います。
tikitのフロントラックを取り付けてから購入予定だった
「自転車用フロントバック(取り付け金具付)」
自転車での長期旅行には必需品です。
その候補の一つとして考えていた完全防水で有名な「オルトリーブ」
ただその実物は自転車ショップを回るも殆ど店頭で取り扱っておらず、また気に入った色・形も有りませんでした。
またフロントバックとしては、些か値段が高いのも考慮する点でした。
そこで見つけたのが、イギリスの通信サイト「Wiggl」
自転車仲間に「安い」と伺っていたが、当初見た時は片言の日本語と英語表記。
支払の仕方も英表記で「こりゃ分からん・・・」と諦めていました。
しかし久々に覗いてみると「日本語OK!円OK!」の日本人歓迎のサイトになっています。
・・・ポンド安で日本人がお得意様になったのか?
さてWigglでオルトリーブのバックを見ると、日本なら2万近くする商品が9, 000円!!
(如何に関税とかあるかを考えさせられます)
早速発注してから4日ほどでイギリスから外国表記の荷物が届きました。(早っ!!)
色は落ち着いた茶系
生地はオルトリーブに珍しい艶消し
この色は見た事がない
ちなみに「Made.in.Gemany」
列記としたドイツ製品
フロントバックが届いてから3日くらい使用していますが、本当に楽です。
特に重い荷物が有る場合は、バックパック(リュック)より安定して走れます。
ちなみに何故「長期旅行」にフロントバックが必要か、理由は以下の2つ。
1.背中は放熱機関(風通しを確保する)
2.肩の血流を確保する
特に夏場の旅行でバックパックを背負うと、通常の数倍疲れます。
(これは実体験済みです→試してみると直ぐ分かります)
また身体の一部でも締め付ける行為が如何に負担をかけるか
これらを鑑みてやはりフロントバックは有ると大変便利。
まぁ形も格好いいし、オルトリーブのバックは取り外しも簡単なのも良い点です
フロントバックを2つ付けると何処かに旅行に行きたくなりますね。
さて最後に気になる「完全防水」の謳い文句。
旅行先で雨に遭うことを考えての購入でしたが、これってホントなのか?
基本雨の日は走りませんので、効果の程は分かりませんが試して見たい。
・・・で、試して見ました(風呂場で)
ちなみに当家のシャワー
かなり水圧が高いです(降水量50mmくらい)
2~3分ほどシャワーを浴びせてみましたが、水滴は付きますが中は一切濡れていません。
(ベルトはナイロン製なので濡れていますが)
これなら防水処理をしなくても下着など濡れる心配は無くなりますね。
しかしドイツ人はホントにBDを見てもドイターにせよ「自転車旅行が好きな民族」なのだと思います。
さて明日から長野は小布施での展示ですが、天候を見るにフロントバックが以外にも早く役立ちそうな予感がします。
会期は2月19日から5月17日まで。
※2月19日(土)14時から作家によるギャラリートークがあります。
開館時間9時から17時まで(4月から18時まで開館)
入館料一般500円(高校生250円以下無料)
毎年大変多くの来館者が訪れる展示になっています。
特に去年は善光寺のご開帳があり多くの方が来館されました。
ここ小布施町(長野県)は、調べて見ると多くの観光地があり、私もまだ遊び尽くしていないのが現状です。
(今年は何処に行こうか思考中です)
美味しいお菓子に蕎麦と温泉。
お近くにお寄りの際は是非御高覧頂ければ幸いです。
今回の出品に私(井上越道)は、漆黒の四曲屏風を展示にしています。
ただ今回の作品は特に難産でした。
ShinPA展は大きな作品を展示できる貴重な発表の機会。
またこの様な貴重な機会は「新たな発想」「表現に挑戦する」為の展示。
今までと違った何か新しい視点を形に、どうにか纏め作品にする。
この「今までと半歩違う事」の何と難解で難しいことか・・・
出来上がった今回の作品「空」
今回の果たして本当にこれで良かったのか?
今でも自問自答の日々です。
(作家失格です)
※ギャラリートークでは、その辺りも語ることがあると思います。
それでも来館された皆様のご意見は明日の作品と繋がります。
ご来場の際は是非貴重なご意見を賜れればと幸いと思います。
そんな折、今月初めまで開催されていた「東京藝術大学修了・卒業展」を見に上野まで。
(メモリの買い出しも序でに)
先月の学内での作品撮影の際「檻からサバンナへ」と言う面白いタイトルに惹かれて
「そうだよなぁ」と言う思いと「分かっているなぁ」と言う感心の意味もあり足を運んでしまった。
さて毎度ながら東京藝大の卒制は一味違う。
これは他の美術大学を見渡しても歴然としている。
何が違う言えば「底辺の意識の差」
(他大学だと底辺が高校生の図工の場合がある)
勿論藝大でも「これが集大成か?」と言うものもあるが、満遍なく完成度が高い。
これから作家として生きていく意識の差か、正にサバンナ(社会)に出て戦っていく姿勢が問われる。
当たり前だが、別に大学を出たからと言って美術活動をして行く人は大変少なく、皆が頂点を目指して日々研鑽している。
その意味でも弱肉強食の世界。
私の様な兎が生き残るため懸命に生きていく世界。
それが残酷な「物を作る」と言うこと。
肝心の展示は色々新しい発見があって面白かった。
今世代の発想なのか?
幾つか「??」と思った点や、成る程と温故知新な点も多々発見出来るのはその若さと言う視点なのか?
中には初老の方が随分熱心に見られていたが、こう言う方こそ見に来るべきだと思う。
年齢を重ねると言う事は「視点が狭まる」事が多分に見受けられる。
この病を治すため、私は区役所などの「幼稚園の絵画展」とか「小学生の展示会」を見に行く事が多い。
結局、視点の相違を感じるためなのだが、そこでは多くの事を学ぶ事がある。
(・・・えぇ!これが!!と言う視点が何時もあって面白い)
展示を見終わってドトールで一服していると、ふと「私は成長しているのか」と自問自答。
修了してから5年。
確かに技術、表現、発想の面で洗練されたと公言できる。
手元にある修了作品を見ても「まだ若いな」と思える点は多々ある。
ただその尖った感性は痛いが美しいと思える。
良い意味で冒険している。
果たして今の自分は冒険しているのだろうか?
かなり前に伺った職人の方が
「職人は日々新しい技術を学ばなければいけない」
「今日学ぶことをしない職人は明日教える立場に無い」
全く耳痛い意見でしたが、それは今の自分と当て嵌まるのか。
新しい表現に日々チャレンジしているのか?
改めて「世界一の絵描き」に成る為にはどうするべきか。
若い作家の展示を観て、改めて若い頃(無茶をしていた)を思い出し、まだまだ若造に負けないと思いを新たに表現の完成を目指し一歩一歩茨の道を踏みしめて行く覚悟が出来る。
本当にこの様な存在(展示)がある事が有り難い。
(卒論などの普通大学では実感出来ない感覚)
過去の自分と会話を交わす機会は大切にして「人間国宝・国民栄誉賞」を当たり前にする。
全く我ながらどれだけ努力をすれば目指す所に届くのか。
ただ不思議と不可能と思えないのが不思議で仕方ない。
あと30年後の自分が何者かが大変楽しみで仕方ない。