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『自転車』を主題に日本画制作をする作家Blog
年末の忙しさを「師走」とは良く言ったもので(;´Д`)
私の年末、、、その走者は、、、宛らボルトではないかと?
 
 
さて今年一年を振り返って、一番印象に深かったのは「100台の自転車を描いたこと」
(行為そのものは3月旬の頃・・・だったはず)
 
一体なんで始めたのか(思いつき?)
 
始める切欠・・・それはホントに思い付きだったんです。
それが何時の間にか、、、こんなに嵌るとは・・・
 
100の自転車を描く。
 
それは・・・こんな感じで始まりました。
 
ある昼時、何時もの作画制作。
制作の合間に「作画以外」の仕事をすると制作は滞る。
アイデア(思考)は描き続ける環境に無いと鈍ります。
(鮮度の問題??)
 
作画制作で一番大変なのは「どの様な絵を描くか?」
特に主役である「自転車の構図(形)」を決めるのが・・・ホント難しい。
 
で!!
 
暇な時間の合間に、細かく指定が入った下絵。
「直ぐに本画に描き仰せる」下絵を描く(ストックする)事に。
※余り下絵を溜めても、昔のアイデアは使えない事が多いのでストックはしないのですが。
 
 
さて初めて見ると2~3時間もあれば「それらしい」ものが出来上がります。
この時は「なかなか良いんじゃない?」とか思いました。
しかし10枚も描くと、何処かマンネリ?
(この形態?この構成??)
 
このまま描いても飽き(同じ)ましたので「限定(縛り)」を入れる事に。
 
使う道具は鉛筆だけ(後に情報量の関係で色鉛筆を使う)
紙は気楽なA4、出来るだけ紙面に情報を入れる事。
(これも後で違った大きさ&質感の紙で色々描くことになります)
 
そして一番大切な事は「前の絵と違う事をする」
つまり描き方を変える、構図を変える、表現を変える。
 
こうすれば100通りの自転車表現が出来る訳です。
 
しかし・・・初めて見ると難儀な事が。
20台くらいまでなら色々と引き出しがありますが、それ以降は戻ったような表現に。
(何台か前の絵を見て反省)
私は「何処かで見た表現」とか「毎度同じ表現の絵」しか出来ない連中とは一線を画す。
様々な表現を理解し、その構成は絶対的で無二、視点豊かな作家と自負していましたが・・・
 
この程度なのか・・・と。
 
ちょっと落ち込み、あれこれと考えてしました。
※これも今なら良い勉強でした(4月頃と記憶しています)
 
ここで更に一つ縛りを入れました。
 
無理に数台(枚数)を描かない。
その日に描いて良いのは1台、どんなに調子が良くても2台まで。
そして描きたくない時は描かない。
 
そうした事で、朝リセットされた頭でアトリエに入る。
そこで見た先日描いた絵を見て、昨日気付かない所を見つける。
・・・そう、頭を使う時間(24時間)を本当の意味で「有意義に」使っていない事。
そうして30台位から細かく「あれこれ」変化させる事が出来ました。

(続きは長くなりますので・・・次の二章以降、順次ご期待頂ければと)


6a49f88a.jpeg
始めた頃は・・・こんな桜が舞い散る頃でした
 
 


 
 
昨今の気持ちいい気候に、筆も軽い日々。

そんな日々、少し前に飲んでいて話題になった「画家の生活形態」
絵描きが「一番描きやすい時間帯」は何時頃か・・・等々
少々面白かったので記載しておきます。

長く絵を描いている方なら、大体予想が出来ると思いますが・・・
若い画家の殆どは「夜型」

その大まかな理由が
①夜の方が集中出来る(外音が少ない)
②夜しか制作時間が取れない。


・・・大まかに言って、この2点でしょうか?
(早起きできないってのもありましたね( ^∀^))
とても良く分かります( ̄ー ̄)
私も専門学校→大学時代は超ぉーーー夜型コウモリ人間。
※勤めていた時も時間的に夜型。

asagata2.jpg
大学時代の徹夜制作はこんな感じでしたね。
 


そんな私も今では『朝型』です。
※今回では少数派の「朝型」の制作者。

こちらも理由としては色々と(聞かれた)有ると思いますが・・・

①夜(遅くまで)起きている事ができない徹夜の作業なんて(´Д` )
②夜の仕事が目に堪える。


悲しい話ですが、若い頃のようには出来ない・・・後ろ向きな理由です。
私の場合は、特に2番目が一番大きな理由なんです。
「老眼」って訳では無いのですが、夜の仕事では「明るい色の判別」が難しいこと。
※これはかなり厳密な色彩レベルの話です(´ヘ`;)
そして夜描いていて「良いなぁ」と判断した点が、朝見ると・・・って事があるので。
※今では朝起きて→コーヒー入れて→アトリエで朝食がルーティン化しています。

あと朝型の前向きな点を上げるなら「制作時間の有効性」があるかと思います。
これは実感(?)としか言えませんが「同じ制作時間」でも、夜の仕事は時間経過が速い気がします。

個人の見解故、最後までどちらが良いと結論は出ませんが「自由に(制作)時間を使える」
朝型、夜型は関係なく、一番集中出来る時に「好きなだけ」描ける。
好きな時に何時でも描く事が出来ればなぁ~(´Д⊂ヽって話でした。
※集中している時に筆を置かなければ成らない無念さは・・・(ノД`)

asagata1.jpg
締め切り前の心境はこんな感じですね。
 

最後に話していて印象的なのは「描きたく無い(辛い)」って後ろ向きな意見が無い事。
※もぉ~今日は描きたくないって意見(場合)はありましたが(ヽ´ω`)

これは描いて(描き続けて)いないと出てこない。(体感)

勿論私自身も描き続けている(前線で戦っている)ことが最低条件に上げられますが・・・
改めて切磋琢磨する、良い人間関係に恵まれているなぁ~と実感します。


さて次回は(制作に)時間をかけた方が良いか」って話を記載したいと思います。


asagata3.jpg
故・土田世紀先生の編集王の4巻
(私が好きな一巻です)
この作中の晴海先生の行動原理は『制作者』の一面を良く表しています。



 


最近書きたい事も多いのですが、なかなか時間が・・・(ノД`)
(描きたい思考錯誤でも・・・あれこれと)

そんな日々の中、小学1年から30年の永きに渡って使っていた相棒の「鉛筆削り」がどうにも削れなくなってきました。

IMG_3971.jpg
当家にある30年来の一番古い相棒
ちなみにMade in Japan

 

12月末から機会があれば文具店を覗いていたのですが、私が求める物が見つからず・・・
東京都内は勿論、横浜近辺も出掛ければ「ちょっと」っと覗き、試し削り(出来ない店舗)もして選んだ「絵描き」の選んだ相棒はこちらヽ(*´∀`)ノ

クリックで拡大

IMG_3972.jpg IMG_3975.jpg
カール事務機 鉛筆削器 Angel-5 Royal
勿論Made in Japan
※ちなみに子供用のカール社製品は中国製


IMG_3980.jpg
左が新規購入のカール社
右が今までの鉛筆削り・・・随分と差がありますねΣ(゚Д゚;)

 

結局の所、一番始めに良いと思った鉛筆削りが「最も良い」と判断して購入しました。

ちなみに「絵描き」である私が求めた選考基準は

1.先が鋭く尖る(これが一番大切)
2.手動であること。
3.作り(製品)の精度が良い事=日本製、またはそれに準ずること。
※Made in chinaは選択肢にしない
4.長期に使えるデザインであること
5.上記に該当する範囲で2万円程度まで

これだけなんですが・・・これに該当する製品が無い・゚・(つД`)・゚・
スイスのカランダッシュやアメリカのエグザクト、ドイツのファーバーカステルなど等。
多分手動の鉛筆削りは全て試したと思います。

その中でのカール事務機 鉛筆削器 Angel-5 Royal
実際使ってみて、上記の海外製品より使い勝手がよく、その上コストパフォーマンスが良いのも有り難い。
(カランダッシュが一万円~なのに、カール社は3千円程度)

あと思いの他役に立っているのが「芯の2段階調節機能」
線の識別のため色鉛筆を使っているのですが、芯の柔らかい色鉛筆は余り尖らせたくない。
そこでの尖りすぎない機能は助かります。


あと画家が鉛筆削りを使うの?と疑問に思う事を簡単に説明。

1.自分で削らないの?

私はカッターで「鉛筆削りより丁寧に」削ることが出来ます。
ただ濃く細い線が欲しい。
4~3Bでの尖った芯先は3~4線引くたびに削らなくてはならない。
また簡単な作画でも20本以上使う(一本1分で削って20分)削る時間の節約です。

IMG_3982.jpg
これはホントの一部分

2.尖るならシャーペンは駄目ですか?

鉛筆の「腹」が使えないので作業に適していません。
また4B~Fまで細かく用途に合わせる為、駄目です。
あと数グラムでも重い筆記具は使いたくない。(私の感覚です)

IMG_3984.jpg
短い鉛筆はペンシルホルダーを使います。
愛用はステッドラーとイトー屋の木製の物

 
3.電動は何故駄目か。

電気が無いと動かないのが駄目。あとコードに縛られるのもイヤ。
最近のはストパー(削り過ぎ防止)もありますが、手で削る感覚が好き。
ハンドルを回して「削る感覚」が創作の行程と同調する。

まぁ・・・要は作家の好みの問題。

何を使っても、最後に自分が表現したいものが創れれば良いのではないかと。
(途中行程など誰に見せる訳でもない)


この日本製の鉛筆削り。

仕事用品なので、大切に扱いますが酷使はします。

願わくばまた30年お供してくれる「相棒」となってくれると嬉しいかな?と。



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梅雨の足音が聞こえて来るこの頃。
日本画制作には「湿気」との戦い。
自転車好きには「錆」との戦いの時期でもあります。

さて何時もギリギリの作品納期。
相変わらず締め切りは「ゴール前のスプリント勝負」

・・・では有りますが今回の作品は納期5日前には9分9厘完成していました。
ではその5日間、何をしていたのか?

「只観ている」

残りの1厘を埋める行程に5日。
本当に時間の使い方の「贅沢さ」をかみ締めています。
※脇では小作などのアイデアはチマチマ描いていますが・・・

さて改めて考える、この「制作の間」
少し専門的になりますが、日本画材の絵具は「顔料」
其れはチューブから捻り出す訳では無く、粉状の物を自分で絵具する作業があります。

ma1.jpg
愛用の目薬は「サンテ40」
 
実際描く時は当たり前の行為ですが、慣れない方からは「面倒な」行為に見えるようです。
この印刷技術が発展している時代で、面倒な行為を繰り返し行い画面を構築していく。

その間の時間をどの様に捉えるか?

手間が面倒
乾燥まで筆が進めない
道具の手入れが面倒くさい
・・・等々


それは大変良く分かるのですが、時間が少ない(忙しい)=画面を見る時間として比例している事に気付きます。
忙しい中で描く行為は「間」が余りにも少ない。
間のない制作工程は余分が無いため「どうすべきか?」の選択肢が狭まることになります。
作画中に面白いものを考えている私は、どうしても制作途中に迷走する事が度々あります。
この様な時「間」がない場合、新たな心見「半歩先の表現」がどうしても閃きません。
結局「いつも同じ」行程を進めるか、90%程度の歩み寄りが精々と言った所になります。

現実的な問題として時間=金銭との関係がありますが、「間」の無い人生は本当に幸福か?
制作進行が面白くない時(忙しい)によく考えます。
「忙しい!忙しい!!」と宣い、周りには「時間が無い」と言い苛つき、自身を責め周りを不幸にしている人がいます。
その様な方を見ると「この人は良い絵は描けないだろうな」と不憫な思いに捕らわれます。
自転車旅行でも、道を間違える事があります。
でも「まぁ目的地に着けばいいか?」と気楽な思考は、本当に制作工程と結びつきます。

そんな寄り道出来る心の「間」
私が今大切にできる「間」は、画面を通して今の人達に一番共有にして欲しい事です。


自分のキャパにはどうしても限界を感じる時が在ります。
そんな時は先人の知恵を借りたり、先を歩く方からご教授頂く事は多々あることです。

10日は日本橋高島屋で開催されている「第15回 21世紀の目展」の初日。
中島千波先生、岡村桂三郎先生が共に出展している展示会です。
15時よりギャラリートークがあり、中島先生初め、出品作家・先人の意見は何時も
「作品を作る(描く)こととは何か?」
突きつけられる作品と共に、自身が考えさせられる事が多い。
(意見は違えど根本は同じ所にあるのだが・・・)


スルガ台画廊で知人の展示を観て、画廊の方と暫し雑談。
来年の展示の話から海外での画業の話と、今考える事と良いものを描くこと。
やらなければ行けないことも多い。


佐藤美術館では踏み込んで、海外研修など多方面からのご指摘、本当に有り難い限り。
また私が思っている以上に、私の作品には意外な方が興味を持っていること。
人の出会いとは、本当に数奇な偶然が絡んでいるなと、自身の事ながら不思議。


サイクルモードでは出展していなかったスペシャライズド(Specialized)
そのオフィシャルショップが近くに在るので覗きに。
(青山など最近は自転車のオフィシャルショップが多くなった)
ショップの方からは、自社製品を販売することの責任と管理。
今後の展開など面白い話を色々と聞く事が出来た。
(サイクルモードに出展しなかった理由なども参考になった)
自転車業界は今後「より欲しい人が必要とする」販売ルートが主流になるのでは?
(商品)知識を学ぶ人としない人。
その差は今後益々広がっていくのだろうと実感。


19時からは新校舎ができた京都造形・東北芸工の東京校。
その特別講義として、千住博先生と竹村真一先生との対談。
テーマは「人間にとって芸術行為とは何か?」
(重い課題ですが・・・)

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2時間の講義でしたが、初めて聞く千住博先生の講義。大変面白く勉強になりました。

目から鱗の視点は、やはり一線で活躍されている作家が持つ独特の感性があります。
今回の深夜での講義は、久々に学生に戻った気分と、自身がもっと大局を見定める必要を痛感しました。
しかし京都造形の学生さん達は恵まれているなぁ(千住先生から講義・・・羨ましい)
本当に大学の基準は「指導者(制作者)」なのだと、改めて思った次第。


今日一日、色々な方からのご意見を聞く日になった。
私のキャパでは全部を直ぐに消化できないが、2~3日はじっくり作品を前に熟慮する。
そして残ったものを大切にして、新たな表現に挑戦していく所存です。
 
 

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趣味:
自転車と作画制作
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