(続きは長くなりますので・・・次の二章以降、順次ご期待頂ければと)
そんな日々、少し前に飲んでいて話題になった「画家の生活形態」
絵描きが「一番描きやすい時間帯」は何時頃か・・・等々
少々面白かったので記載しておきます。
長く絵を描いている方なら、大体予想が出来ると思いますが・・・
若い画家の殆どは「夜型」
その大まかな理由が
①夜の方が集中出来る(外音が少ない)
②夜しか制作時間が取れない。
・・・大まかに言って、この2点でしょうか?
(早起きできないってのもありましたね( ^∀^))
とても良く分かります( ̄ー ̄)
私も専門学校→大学時代は超ぉーーー夜型コウモリ人間。
※勤めていた時も時間的に夜型。
そんな私も今では『朝型』です。
※今回では少数派の「朝型」の制作者。
こちらも理由としては色々と(聞かれた)有ると思いますが・・・
①夜(遅くまで)起きている事ができない←徹夜の作業なんて(´Д` )
②夜の仕事が目に堪える。
悲しい話ですが、若い頃のようには出来ない・・・後ろ向きな理由です。
私の場合は、特に2番目が一番大きな理由なんです。
「老眼」って訳では無いのですが、夜の仕事では「明るい色の判別」が難しいこと。
※これはかなり厳密な色彩レベルの話です(´ヘ`;)
そして夜描いていて「良いなぁ」と判断した点が、朝見ると・・・って事があるので。
※今では朝起きて→コーヒー入れて→アトリエで朝食がルーティン化しています。
あと朝型の前向きな点を上げるなら「制作時間の有効性」があるかと思います。
これは実感(?)としか言えませんが「同じ制作時間」でも、夜の仕事は時間経過が速い気がします。
個人の見解故、最後までどちらが良いと結論は出ませんが「自由に(制作)時間を使える」
朝型、夜型は関係なく、一番集中出来る時に「好きなだけ」描ける。
好きな時に何時でも描く事が出来ればなぁ~(´Д⊂ヽって話でした。
※集中している時に筆を置かなければ成らない無念さは・・・(ノД`)
締め切り前の心境はこんな感じですね。
最後に話していて印象的なのは「描きたく無い(辛い)」って後ろ向きな意見が無い事。
※もぉ~今日は描きたくないって意見(場合)はありましたが(ヽ´ω`)
これは描いて(描き続けて)いないと出てこない。(体感)
勿論私自身も描き続けている(前線で戦っている)ことが最低条件に上げられますが・・・
改めて切磋琢磨する、良い人間関係に恵まれているなぁ~と実感します。
さて次回は「(制作に)時間をかけた方が良いか」って話を記載したいと思います。
故・土田世紀先生の編集王の4巻
(私が好きな一巻です)
この作中の晴海先生の行動原理は『制作者』の一面を良く表しています。
(描きたい思考錯誤でも・・・あれこれと)
そんな日々の中、小学1年から30年の永きに渡って使っていた相棒の「鉛筆削り」がどうにも削れなくなってきました。
12月末から機会があれば文具店を覗いていたのですが、私が求める物が見つからず・・・
東京都内は勿論、横浜近辺も出掛ければ「ちょっと」っと覗き、試し削り(出来ない店舗)もして選んだ「絵描き」の選んだ相棒はこちらヽ(*´∀`)ノ
カール事務機 鉛筆削器 Angel-5 Royal
勿論Made in Japan
※ちなみに子供用のカール社製品は中国製
左が新規購入のカール社
右が今までの鉛筆削り・・・随分と差がありますねΣ(゚Д゚;)
結局の所、一番始めに良いと思った鉛筆削りが「最も良い」と判断して購入しました。
ちなみに「絵描き」である私が求めた選考基準は
1.先が鋭く尖る(これが一番大切)
2.手動であること。
3.作り(製品)の精度が良い事=日本製、またはそれに準ずること。
※Made in chinaは選択肢にしない
4.長期に使えるデザインであること
5.上記に該当する範囲で2万円程度まで
これだけなんですが・・・これに該当する製品が無い・゚・(つД`)・゚・
スイスのカランダッシュやアメリカのエグザクト、ドイツのファーバーカステルなど等。
多分手動の鉛筆削りは全て試したと思います。
その中でのカール事務機 鉛筆削器 Angel-5 Royal
実際使ってみて、上記の海外製品より使い勝手がよく、その上コストパフォーマンスが良いのも有り難い。
(カランダッシュが一万円~なのに、カール社は3千円程度)
あと思いの他役に立っているのが「芯の2段階調節機能」
線の識別のため色鉛筆を使っているのですが、芯の柔らかい色鉛筆は余り尖らせたくない。
そこでの尖りすぎない機能は助かります。
あと画家が鉛筆削りを使うの?と疑問に思う事を簡単に説明。
1.自分で削らないの?
私はカッターで「鉛筆削りより丁寧に」削ることが出来ます。
ただ濃く細い線が欲しい。
4~3Bでの尖った芯先は3~4線引くたびに削らなくてはならない。
また簡単な作画でも20本以上使う(一本1分で削って20分)削る時間の節約です。
2.尖るならシャーペンは駄目ですか?
鉛筆の「腹」が使えないので作業に適していません。
また4B~Fまで細かく用途に合わせる為、駄目です。
あと数グラムでも重い筆記具は使いたくない。(私の感覚です)
3.電動は何故駄目か。
電気が無いと動かないのが駄目。あとコードに縛られるのもイヤ。
最近のはストパー(削り過ぎ防止)もありますが、手で削る感覚が好き。
ハンドルを回して「削る感覚」が創作の行程と同調する。
まぁ・・・要は作家の好みの問題。
何を使っても、最後に自分が表現したいものが創れれば良いのではないかと。
(途中行程など誰に見せる訳でもない)
この日本製の鉛筆削り。
仕事用品なので、大切に扱いますが酷使はします。
願わくばまた30年お供してくれる「相棒」となってくれると嬉しいかな?と。
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日本画制作には「湿気」との戦い。
自転車好きには「錆」との戦いの時期でもあります。
さて何時もギリギリの作品納期。
相変わらず締め切りは「ゴール前のスプリント勝負」
・・・では有りますが今回の作品は納期5日前には9分9厘完成していました。
ではその5日間、何をしていたのか?
「只観ている」
残りの1厘を埋める行程に5日。
本当に時間の使い方の「贅沢さ」をかみ締めています。
※脇では小作などのアイデアはチマチマ描いていますが・・・
さて改めて考える、この「制作の間」
少し専門的になりますが、日本画材の絵具は「顔料」
其れはチューブから捻り出す訳では無く、粉状の物を自分で絵具する作業があります。
愛用の目薬は「サンテ40」
この印刷技術が発展している時代で、面倒な行為を繰り返し行い画面を構築していく。
その間の時間をどの様に捉えるか?
手間が面倒
乾燥まで筆が進めない
道具の手入れが面倒くさい
・・・等々
それは大変良く分かるのですが、時間が少ない(忙しい)=画面を見る時間として比例している事に気付きます。
忙しい中で描く行為は「間」が余りにも少ない。
間のない制作工程は余分が無いため「どうすべきか?」の選択肢が狭まることになります。
作画中に面白いものを考えている私は、どうしても制作途中に迷走する事が度々あります。
この様な時「間」がない場合、新たな心見「半歩先の表現」がどうしても閃きません。
結局「いつも同じ」行程を進めるか、90%程度の歩み寄りが精々と言った所になります。
現実的な問題として時間=金銭との関係がありますが、「間」の無い人生は本当に幸福か?
制作進行が面白くない時(忙しい)によく考えます。
「忙しい!忙しい!!」と宣い、周りには「時間が無い」と言い苛つき、自身を責め周りを不幸にしている人がいます。
その様な方を見ると「この人は良い絵は描けないだろうな」と不憫な思いに捕らわれます。
自転車旅行でも、道を間違える事があります。
でも「まぁ目的地に着けばいいか?」と気楽な思考は、本当に制作工程と結びつきます。
そんな寄り道出来る心の「間」
私が今大切にできる「間」は、画面を通して今の人達に一番共有にして欲しい事です。
自分のキャパにはどうしても限界を感じる時が在ります。
そんな時は先人の知恵を借りたり、先を歩く方からご教授頂く事は多々あることです。
10日は日本橋高島屋で開催されている「第15回 21世紀の目展」の初日。
中島千波先生、岡村桂三郎先生が共に出展している展示会です。
15時よりギャラリートークがあり、中島先生初め、出品作家・先人の意見は何時も
「作品を作る(描く)こととは何か?」
突きつけられる作品と共に、自身が考えさせられる事が多い。
(意見は違えど根本は同じ所にあるのだが・・・)
スルガ台画廊で知人の展示を観て、画廊の方と暫し雑談。
来年の展示の話から海外での画業の話と、今考える事と良いものを描くこと。
やらなければ行けないことも多い。
佐藤美術館では踏み込んで、海外研修など多方面からのご指摘、本当に有り難い限り。
また私が思っている以上に、私の作品には意外な方が興味を持っていること。
人の出会いとは、本当に数奇な偶然が絡んでいるなと、自身の事ながら不思議。
サイクルモードでは出展していなかったスペシャライズド(Specialized)
そのオフィシャルショップが近くに在るので覗きに。
(青山など最近は自転車のオフィシャルショップが多くなった)
ショップの方からは、自社製品を販売することの責任と管理。
今後の展開など面白い話を色々と聞く事が出来た。
(サイクルモードに出展しなかった理由なども参考になった)
自転車業界は今後「より欲しい人が必要とする」販売ルートが主流になるのでは?
(商品)知識を学ぶ人としない人。
その差は今後益々広がっていくのだろうと実感。
19時からは新校舎ができた京都造形・東北芸工の東京校。
その特別講義として、千住博先生と竹村真一先生との対談。
テーマは「人間にとって芸術行為とは何か?」
(重い課題ですが・・・)
2時間の講義でしたが、初めて聞く千住博先生の講義。大変面白く勉強になりました。
目から鱗の視点は、やはり一線で活躍されている作家が持つ独特の感性があります。
今回の深夜での講義は、久々に学生に戻った気分と、自身がもっと大局を見定める必要を痛感しました。
しかし京都造形の学生さん達は恵まれているなぁ(千住先生から講義・・・羨ましい)
本当に大学の基準は「指導者(制作者)」なのだと、改めて思った次第。
今日一日、色々な方からのご意見を聞く日になった。
私のキャパでは全部を直ぐに消化できないが、2~3日はじっくり作品を前に熟慮する。
そして残ったものを大切にして、新たな表現に挑戦していく所存です。