私の出費の3大明細「画材」「出張費」そして「書籍」
基本「本に関して」は雑食なので(絵を描くのに役立つなら)ジャンルは問いません。
まぁ本屋で見かけて「嗅覚に引っかかる本」は財布が許す限り(ノД`)購入しています。
※ベストセラー本と敬愛出来ない人の薦めは殆ど触手が動かない(読まない)
そんな私が昨年一番心象に残った一冊がこちら↓
そう言えば・・・昨年のベスト書籍は「采配」だったかな?
こう言った時、Blogの記載は役に立ちます。
実はこの本、昨年買った本ではありません(-_-)
確か2年程前、少々制作に悩んだ時に購入した一冊でしたが、当時数ページ読んで「面白くない」と本棚に閉まった一冊です。
それが昨年6月頃、長雨で外出も億劫な一時期。
製作中、ある一つのテーマに悩んでいた時・・・この「仕事は楽しいかね?」を本棚から取り出して、ペラペラと読み始めると・・・不思議と引き込まれました。
さてお薦めの内容を記載する前に、この本を「お薦めしない(できない)」方がいます。
それは・・・
1.現状に満足している人(現状を維持したい人)
2.今の状況を余り変えたくない人。
(悪い意味で捉えて欲しくないのですが・・・)
こう言った(ある意味幸せな)方には、余り意味が無い書籍ではないかと?
逆に「開業しよう!!」とか、そろそろ独立を考えている方。
また現状に不満があり、何かを変えたい、変え方が分からない人には「一読の価値」アリです。
にしても、私の文章力(ボキャブラリーのなさ)では、この本の魅力は1/100も伝えれないと思います。
ですので、私(絵描き)なりに影響を受けた「現状を進めたい(変えたい)」
そう今現在、試行錯誤して「描いている」絵描きが読んで、絵描きとして影響を受けるとするなら・・・・
この本、最大のフレーズは「試すこと」
若い頃なら何度も考え・・・否!!今でも自問自答し続ける
「自分らしい絵」とか「自分にしか出来ない表現」
(現状で完成したと思っている画家は屍と考えて良い)
こう言った事で悩んだ時「どのように試したらいいのか?」「本当に試しているのか?」
真剣に考え、そして今現在も行動している方なら・・・
この書籍に書いてある幾つもの金言は、一度は考え、行動に移したことがあると思います。
試すと言う意味では(私自身が実際とった事柄)画材一つ取っても・・・
(形式上)日本画家である私が日本画材以外に、油彩もアクリル製品も合成樹脂など『市販品』は一通り使って(相性など見て)特殊な染色素材や自然素材なども試して・・・一番良い色調を試行錯誤する。
紙も筆もナイフもブラシも、使う道具はジャンル問わず「興味を引くもの」は試し、その材質や産地を調べ、その特性から様々なメーカーを試しに試し、使い、研鑽して「また試す」
それでも「今のままで良いのか?」と日々最善と思う方法(材料)を試行錯誤する。
※画家なら当たり前過ぎて…記載することが恥ずかしい(ノ´∀`*)位の当然の事
そう言った実験(試すこと)で、年間「何百枚」しか描いていない私でも、この本のマックス老人が語る
「試してみることに失敗はない」
「あらゆる物を変えて、さらにもう一度変えること」
「試すことは簡単だが、変えるのは難しいこと」
「新しいアイデアは新しい場合に置かれた古いアイデア」等など・・・
こう言った金言に・・・
一度ならず「そうだ!」と頷き、そして「あぁ~そうだよ(ノД`)それは・・・」と痛いところを突かれ、最後に「まだ試すことは一杯あるな(´∀`*)」と前向きに考えることができる。
決して「自分らしい絵」が現状維持で続くのではなく、日々様々な事を試すことで「自分らしい絵」が更新されていく。
※「試している」方から聞く、その素晴らしい創造性ある意見もマックス老人と被りますね(ノ´∀`*)
本当に試している(楽しんでいる)のか?
画面を前に迷った時・・・画面から離れ、足元から見つめ直すために目を通す。
「仕事は楽しいかね?」は「ベスト書籍」として、私の机に生涯鎮座していることでしょう。
最後に、この本を読んで「さて!もう一仕事頑張るか!!」って伸びをした時、必ず自分に問いかけるようにしています。
※ちなみに「仕事は楽しいかね?」の2巻が出ていますが、私は読んでいません。
2巻は管理職での人との関わり等が(目次で)読み取れましたが、それはまだ先のお話。
その本屋には、何処に何の本があるのか?
一つ一つ自分の足で巡って行かなくてはいけません。
そこはドラクエのダンジョン(迷宮)のように思えます。
目的の物を購入するだけなら「アマゾン」で良いのですが、それは攻略本を片手にアイテムを手にする様な物。
1階から最上階をくまなく攻略(見て回る)ことが「本屋の冒険」
※心に余裕があるから出来る行動=多面的思考を形成出来る環境(作家の土壌)
さてその冒険の最中、必要のない書籍を捲ったり、はたまた英文(読めないのに)の書籍まで「興味の引かれた」ものは取り敢えず目を通して行きます。
(英文の書籍は美しい装丁&面白い挿絵が目を引きます)
その最中「ビビっΣ(゚Д゚;)」ってくる本が何冊か見つかります。
手に取って「パラっ」っと捲り、棚に返す。
基本私は「画材と書籍」には金銭を惜しみませんが、生憎・・・懐具合が寂しい時(´Д⊂ヽ
う~~ん、、、(´ヘ`;)
早急に欲しい本では無いが・・・しかし気になる。
そう言った本を「購入する」に至る決断の指針は・・・
取り敢えず手に取って数ページ目を通し、後書きをサラッと読む。
その場を立ち去り、荷物などを片手に・・・足はちょっと痛くなる頃。
本屋を一周している最中、その本が頭を過ぎったりしたのなら・・・
帰りに「もう一度」手に取って決めるようにしています。
※近場の本屋なら、また来ても良いのですが(∀`*)ゞ
私の小学時代から中学時代は「推理物大好き少年」
ホームズもルパンもポアロもエラリー・クイーンも・・・「海外」推理物は読破しています。
(洋書かぶれで江戸川乱歩など国内作家の推理小説は全く見ていませんが)
※初めてのフランスも「アルセーヌ・ルパンの舞台か」って浸ったのを思い出します。
そんな20年も前の思い出に「まさかΣ(゚Д゚;)」の最後の作品があったとは・・・
実は始め「贋作?」とか疑ってましたが、蛇足でも読みたいと思うのが心情。
1,300円の贋作・・・う~~ん(; ・`ω・´)
しかし最後は「気になる」と言う自身の思い(思い出)が勝りました。
さて秋の夜長、寝付きの悪い時に「パラパラ・・・」と読破。
・・・さて・・・
・・・・う~ん(´ヘ`;)
どう判断して良い物か?
モーリス・ルブランらしい颯爽とした文体、そしてアルセーヌ・ルパンの義理高く愛国的な紳士ぶりは、間違いなくルブランのルパン作品です。
しかし・・・それと同時に、何処か説明不足、抜け落ちた感のある所も多々あります。
この「ルパン・最後の恋」
後書きから、ルブランの息子は推敲が不十分と判断し「未完」として発表を拒んだ作品。
それをルブランの孫が発見して「最後の作品」として発表した訳です。
※ルブラン自身が「Fin(完)」と示していることから「完成作品」ではあります。
※しかし自身が納得出来ず、発表をしなかった作品。
※ルブランは推敲(手直し)を繰り返し、繰り返し行う作家だと。
何とも一読者(ファン)として難しいことです。
推敲を尽くし、ルブランが完成させた「ルパン・最後の恋」しか読みたくなかった気も・・・
でも、この作品で「最後の怪盗紳士」を目にする事が出来た嬉しさもあり・・・
好きな作品だけに、何とも嬉しいような・・・困惑するような気持ちです。
しかし死後70年後の作品に「期待と悦び」を与える事が出来る素晴らしさには感銘です。
そして私自身が、そんな気持ちを抱かせる様な「絵」を描かなければ・・・と。
また一度実家にあるルブランの作品を読んでみてから・・・
・・・死後の世で、ぜひモーリス・ルブランと話してみたいですね。
※あとアルセーヌ・ルパンの情熱的な女性に対する口説き文句・・・そのネタも(´∀`*)
今は何処でも本を届ける時代、私は出来るだけ「本屋」に足を運んで手に取って本を買います。
なぜこの時勢にわざわざ重い持ち物を「自分で」買いに行くのか??
それには二つ理由があります。
一つは本屋のセンス、特に平積みの本を見て、昨今の流行や時流を感じる事。
(ジョブズが死去した時は白黒の表紙が多数見受けられましたね(;´Д`) )
特に新刊の平積みは、その本屋のセンスが見られ「この本屋はこの様な傾向か・・・」などネットでは見られない「人間らしさ」が垣間見えます。
(ポップなどにもセンスが見える)
面白い事に京都や大阪、四国など、地方に行くほどに地方色が階間見えるのも「本屋」です。
二つ目の理由、これが大事なんですが「手に取って見る」
実は本って一冊一冊の表情が微妙に違います。
試しに同じ本を5~6冊ほど手に取って、各表紙を触ってみてください。
(最近はビニールで触れませんが)
中に1冊ほど手触りの違う「?(; ゚Д゚) アレレ?」な表紙があると思います。
(これはホントに微妙な感覚・・・絵描き感覚かなぁ?)
更に大切な事は「小口(こぐち)」
本の切り口である「天・地」と側面の「小口」は触ってみては一目瞭然。
切り方の甘いものから滑らかな物まで、これは自分で触ってみなければ解りません。
パラパラっと2~3回捲って見ると、そのなかには「相性の良いもの」があります。
(此処も絵描きの感覚かなぁ?)
その相性の良いものを購入する。
(うさぎドロップ全巻購入の時は特に・・・)
日々人々が気付きにくい、だが日常に潜む些細なことも拾える感覚。
これが作り手である「絵描き」の嗅覚。
ついぞ収入に比例してか・・・余裕の時間が少なく、微細な事に目を向けにくい等々・・・
その惰性の怠慢が作り手の「嗅覚」を平坦にしています。
(タバコを吸う方の舌と同じですね)
手にした本が惰性の針を少しだけ戻す・・・人の少ない「昼の本屋」は私のオアシスです。
さて最後に2011年のお奨め(?)の書籍がこちら(´∀`*)
落合博満「采配」
お奨めですが「万人に」お勧めする書籍ではありません。
(この辺りが絵描きの意地悪さです)
落合博満と言う「史上最高の選手にして最高の監督」の意図する一流に至る思考を理解する人。
それはどの様な意見に晒されても、目指すべき所に高い意識が向いている人。
今の自身が「一流になる(成れる)ヽ(`Д´)ノ 」と豪語出来る方のみが本当の意味を成す書籍です。
(惰性の手詰まり人生の方には痛い本にしかなりません)
その様な次のステージを目指す人には一読の価値があると思います。
※面白い事に、落合監督と私の先生である「中島千波」先生と共通する点が多々有り、やはり「一流」には共通点があるのだと実感しました。
amazonの紹介動画が格好いいので添付。
どの様な本でも一度は「本屋」で手に取って見てください。
_________________________________________
まったく制作三昧。
(昨今雨で自転車も乗れないのは辛い)
朝起きて、まず絵のことだけ考える時間は「貴重」の一言。
「気持ちを切らさない」
日々の流れが制作を中心に回っていると、取っかかりも早い。
これは描くこと以外考えなくて良いからだ。
(日銭を稼ぐだけの行為を勧めない先生の考えが分かる日々)
それでも間々には一息入れなくては行き詰まる。
制作→う~ん→コーヒー→制作・・・→読書(10分~20分)→制作
こんなサイクルで絵と向き合っているが、余り集中しすぎると「周りが見えない」
また面白いように筆が進む事もあるが、大半は自問自答。
「これで良いのか?」
一日5回以上(つまり休憩中)常に画面の前で問うばかり・・・・
その中で「本当に絵を描くこと」を問う瞬間。
そんな時に必ず目を通す「座右の書」があります。
(ホントはあんまり紹介したくないのですが・・・)
千住博さんの 絵を描く悦び
絵描きなら必ず必読したい本書。
特に学生なら一度はぶつかる「壁」に対して答えを引き出す「導き手」になると思います。
(正直巷の下手な教師より役に立ちます)
私の机の上にも幾つか書物を置いていますが、この本だけは常に卓上に鎮座してます。
制作に困った時
「なぜ此を描くのか?」
「この行為に意味は在るのか?」
そんな迷走の時には必ず一度は目を通すと「成る程」となる。
(勿論「描く」と言う現状に身を置かなくては意味なし)
読み解くだけの「作家の力」も問われるが「作り手」なら共有する点は多々あります。
興味の在る方は一読の価値有り。
今はまだ力不足ですが、願わくば千住先生と本書を片手に語りたいものです。
(感謝の意味も込めて)
今月発売(20日)の「月刊美術6月号」に東京藝術大学デザイン科・中島千波研究室の特集が組まれています。
私も1/2ページですが掲載されています。
まぁ興味のある方は本屋さんで覗いてみてください。
しかし改めて見てみると、本当にこの研究室は面白い人が多い。
(作品的にと言う意味で)
掲載されている座談会にもあるが「一人として同じ画風の人がいない」
普通に考えれば当たり前の事ですが、○○先生のお弟子さん?
何となく似通ってませんか??
あと「これって○○だよね」→「実は違う」
なんて事も良く聞く話
オリジナルを作る。
言葉にしてみれば簡単だが、この事の如何に大変なことか。
正に血反吐を吐き、泥の海をのたうち回る。
私のような若造でも、そんな感情に苛まれる事など「日常茶飯事」
実際生活の為に「一般受けの良い作品」を描くことは否定しませんが、それでは何の為に作家活動をしているのか?
そんな事をしていてもNO,1にはなれない。
(そんなことには興味がないのか?)
ただ観覧者も馬鹿ではない。
事実そう言った絵画は淘汰され始めているのが現状。
そう言った意味では本当に恵まれた環境で制作が出来ていると思う。
中島千波と言う作家は手取り教えはしないが「生き方」で見せてくれる。
これこそ対等の関係。
本当に学ぶ側の姿勢が問われる「教育(おしえそだてる)」なのだと。
この研究室の連中は多分最後まで戦える「作家」
でも最後は私、井上越道が頂点を極める。
その覚悟は23歳に既に出来ている。
後は日々散らばる楽しさを拾い集め、面白く紡ぎ出すのみ。
その結果は取り敢えず7月の展示まで、こうご期待を。